今回紹介するのは、大友克洋さん原作の「AKIRA1巻」です。
アニメーション映画化が大ヒット。
日本のアニメ・マンガ文化が世界から注目されるきっかけとなった作品です。
第3次世界大戦から38年、世界は新たな繁栄をむかえつつありました――。
ネオ東京を舞台に繰り広げられる本格SFアクションコミックの金字塔!
そんなAKIRA1巻のあらすじと見どころを紹介します。
AKIRA1巻のあらすじは?
1982年、東京に新型爆弾が投下されそれを引き金に第三次世界大戦が引き起こされた、という時間の設定です。
第1巻は「鉄雄」と銘打ってある通り、主人公・金田の親友であり最悪の敵ともなる鉄雄がストーリーの中心となります。
第三次世界大戦後、日本は戦後復興に力を入れ海に「ネオ東京」という新しい大地を造りました。
爆弾が落下した地点は2020年東京オリンピック開催のための土地となり、世界は第三次世界大戦を忘れようとしていました。
舞台は2019年、不良少年チームが爆心地周辺をバイクで走っていた時から始まります。
チームの主役でリーダー格の金田は、いつも先陣をきって走るのが得意。金田の幼馴染の鉄雄はそんな金田にコンプレックスを感じながらも友達であり続けました。
しかし旧市街を走っていた時に、鉄雄は「老人のような子ども」が道に立っているのを見つけます。
避けようとした鉄雄は事故を起こし、重症を負ってしまいます。その時金田はその子どもが消えていくのを見ていました。
事故現場には何故か軍隊が駆け付け、鉄雄を回収していきます。
金田たちも捕えられバイクも没収されてしまいました。
後日鉄雄以外のメンバーは釈放されましたが、金田はバイクを取り戻したくて仕方ありません。
たまり場である春木屋で話をしていた際に、ひとりの女性が来店するのを見かけます。女性の名前はケイ。
実は彼女は現政府を転覆させるためのクーデターを起こそうと計画しているメンバーのひとりでした。
金田のナンパの結果、ケイ達のクーデターのアジトに金田は監禁されます。
しかし持ち前の運動神経の良さから金田は脱出を図り、バイク奪還へ動き出します。一方で鉄雄は入院中、軍隊の大佐によって謎の投薬実験を受けていました。
鉄雄の脳波にはある能力の兆しが見られたのです。
それは、老人のような姿の子どもが持つ超能力の鱗片なのでした。
バイクを奪還した金田は、退院した鉄雄と再び街に走りに出ます。
しかし鉄雄は退院後、性格が激変。暴力的になり金田に反抗的な態度を取るのです。
しかも金田たちのバイクチームを辞め、クスリで結託しているというクラウンという走り屋のボスになってしまいます。
金田はケジメをつけるため、「クラウン」と決着をつける事に。
廃工場まで鉄雄たちクラウンを追い込んだのですが、鉄雄が謎の力を使うとメンバーは金田に警告します。
金田は持っていた銃を鉄雄に向けるのですが、鉄雄の「友達だもんな」の一言で撃つのをためらいました。
その時に金田のバイク仲間である山形が鉄雄に襲いかかります。
しかし鉄雄は、全く手を触れずに山形の頭を割ってしまうのです。
あまりの事に唖然とする一同の前に、再び軍隊が出現します。鉄雄を迎えにきた、というのです。
鉄雄を「41号」と呼びかける大佐。金田たちは一体何に巻き込まれたのか、そして鉄雄の力の謎を含んだまま続編へ続きます。
AKIRA1巻の感想や見どころは?
アニメ映画版とは異なるラストと見ごたえのある展開がコミック版「AKIRA」の素晴らしいところです。
精密な建物描写や人物の描き方は、多くの漫画家たちに影響を及ぼしています。
1巻はごく導入の部分でしかありませんが、超能力の出現方法が閃光やビームという方法ではなく、具体的に建物や人体等が損壊していく様子を描き、当時は非常にセンセーショナルな表現として話題となりました。
現在でもその緻密で狂いのない絵は美しいままです。
主人公である金田と、友達でありながらも金田を憎む鉄雄の友情の行方も気になる漫画で、青春ものとしても楽しめます。
コミックの厚さでも知られていますが、これは作者である大友克洋がアメコミを意識して出版社と協議した結果、大きい版で出版する事になりました。
特に1巻は「目立つように」イエローを使用したとのちに述べています。
またこの時から金田のバイクは出現しており、かっこいい!と話題になりました。
現在ではレプリカが世界に何台かあるそうですが、実現するのはなかなか難しいそうです。
空間の取り方やパース技術などは、大友克洋の出現により正確さが以後の漫画に求められるようになります。
もともと美術部だった作者のこだわりが、漫画の革命を引き起こしたというわけです。
1巻は基本のストーリーなので抑えておきたい内容。映画版とも類似しているので、比較して読むのも面白いです。
以上、AKIRA1巻のあらすじと見どころの紹介となります!
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